2008年09月22日

ファンタシースターポータブル二次作 ぬいぐるみと女の子

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ruzinia.png しめった空気が、気流に乗ってトンネルの中を吹きすさんでいく。
 揺れるイカダの上は落ち着いて立っている事もできずに、座り込んだままだ。
 イカダは水の流れに逆らうことはできずにどこかに向かっていた。実のところ、イカダというのは比喩で実際は、壊れた船の破片だ。
 私たちが乗っていた船、氷河遊覧船は沈没した。
 微かに空腹を覚え、私はポケットの中からペロリーメイトをとりだした。完全栄養食であるこれは一日一個あれば十分な栄養を持っていて、私の主食といっていいものだ。
 嬢は、『一流の使用人になりたいのなら、一流のもののみ食しなさい』というが、利便性を考えればこれほど優秀な物はない。
 しかし、口の中で広がるいくら食べても飽きのこない味を感じることは無かった。
「お前なら食べなくてもだいじょうぶだろ」
 私の手の中にあったペロリーメイトは、同じイカダに乗るヒューマンの男に持ち去られていた。
 私から奪ったペロリーメイトを男は口の中にいれてから吐き出しだ。
「何か飲み物はないのか」
「少し静かにしろ」
 そういったのはぬいぐるみだった。いや、実際はマシナリー、非人間型の人工知能だ。それは犬を思える姿をしていた。
「どうしたの」
 ぬいぐるみを抱いた少女は目をこすった。
 この船上で最も保護しなくてはいけないのはこの少女だ。かなり古めかしいデザインの白いワンピースを着て、ぬいぐるみを抱いている姿はこの場でもっとも弱者といえる。
「着いたの?」
「すまない。何でもないからまだ眠っているといい」
 ぬいぐるみが笑った。
「変な奴だな。謝るのはあの男だ」
「争いは避けるように主人に命じられております」
「それは賢明な主人だな」
『母なる太陽と3つの惑星を持つ、「グラール太陽系」。そこに住むヒューマンと、彼らから生まれた、キャスト、ニューマン、ビースト。
 4つの種族は500年にも渡る戦争後、互いに共存する道を選んだ。
 そして100年が過ぎた。』
 それが私たちが最初に教わる世界の根底だ。
 だが、実際のところは、種族間で微妙に対立や、無理解がある。だが、けっきょくそれは個人個人の考え方だ。
 ヒューマンの男が声を上げた。
 そこには水しぶきを上げながら、浮かび上がってくるものがあった。
「何だありゃ」
 それは水飛沫をあげながら向かってくる蛇のような怪物だった。
「この感じ知ってる」
 少女は目を開けた。ゆっくりと服に手をやると脱ぎ始めた。
 そして綺麗に折りたたむと身体が光った。その身体はキャスト特有のパーツに身を固めていた。
「キャストだったのか」
「ルジニア・アストレイア」
 少女の言葉に、私も自分の名前を答えた。
 そうして答えた瞬間、イカダは岸にたたき付けられた。

 イカダを失った私たちは岸から上陸し、歩き始めた。
 原生生物はもともと人間を襲うものは少ない。しかし、危機を感じたり、テリトリーを侵した場合は別だ。
 今回は後者。彼らのテリトリーを抜けていくのが今回のミッションだ。
 猛然と襲いかかってくるのは小型の生物だ。そうはいっても、その牙は当たりどころが悪ければ一撃で、致命傷となる。また、口から吐き出す冷気も、動きを阻害し、その間に牙にさらされ続ければ命はない。
 結局のところ、漂着はまぬがれたものの、命賭けなのは変わらない。
 幸いなのは、私の持っているデーターの中に不完全ながら、この辺り一帯の地図があった事だ。
 地図をビジフォンで表示する。距離はそれほどではないが、廃坑であるだけに、ローグスの根城になっていてもおかしくはない。
 それに対してこちらは三人だ。
 地図を見ていたルジニヤは歩き始めた。
「びびってるのか」
 ぬいぐるみ。いや、彼女のパートナーマシナリーであろうそれはいった。彼女が戦いやすいスタイルになったのと合わせて、彼も二足歩行になっている。
 私はどうとでもとれるように笑ったが、反応が激しいものもいる。
「びびるわけないだろ」
 ヒューマンの男が声を上げている。
「さっさと行くぞ」
 進むに連れて、違和感を感じ始めた。
 モトゥブでの経験を考えるとそれにしても獰猛過ぎた。テリトリーを侵したとも思えないのにこちらに向かってくるものもある。
 短時間で突破していくのは難題かもしれなかった。
「汚染されてるなこいつら」
 ヒューマンの男はいった。
 地下には凍り付いた空間が広がっていた。
「氷浸食だ」
 男は呟いた。
「何かご存じなんですか?」
「SEEDが落ちた区域は、ゾーマっていうのを中心に生態系が変化する。それを浸食という。氷浸食は汚染された地域が氷結する。」
「SEEDは合の時に封印されたと聞きました」
 主から聞いた話を思い出しつついうと、男はげびた笑みを浮かべた。
「表向きはな。いろいろなところで残留SEEDとか呼ばれるのがいるらしいぜ。ここにいる連中も汚染されていると思って相手をした方がいい」
 私は頷いて、地図に従って進んでいく。
 次の坑道を抜ければ、そこにはまっすぐに伸びた道があるはずだった。
 



フリーミッション
惑星モトゥブ 蛇獣覚醒 に続く

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Excerpt: 急にファンタシースターポータブルのヴィヴィアンを描きたいなーと思ったので、 がりがり描いていきたいと思います。 ダンテは近日仕上げた...
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Tracked: 2008-09-10 00:25
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