2006年05月21日

蓬庵  

HOMEリンク テキスト ⇒ この記事です

http://yomo.icecandy.net/hut/

 蓬田誉基さんの『魔法使いと剣聖』を連載中のファンタジー中心サイト。

 『魔法使いと剣聖』は魔法使いの少女ヒナギと、剣聖(ただしあまり信じてもらえない)クロマ、高価な毛皮をもつ話すイヌ(じゃないけども)の物語です。

 気に入って盗作(許可とりましたよね確か)したことがあります(笑)
 
 掌編  『巨人?』

 ケチな悪党のところにあった宝の地図だ。最初から疑ってかかるべきだった。
 迷宮の宝物倉に入ってオレは思った。大型犬とは言え犬の目線の高さを差し
引いても宝物庫の奥から出てきた奴は恐ろしく大きかった。巨人といってもい
いくらいだ。
 オレはキリザード。情けないことに姿は犬だ。もともとは紫猫族
つう獣人の一族なのだ。しかい今は猫の精神に犬の身体。こんなに情けないと
思うことはないな。ある魔女の呪いらしいのだが、なんでこんなことになった
のかは分からん。
 それは置いといてオレはピンチだった。
 こう言うとき頼りになる自称剣聖も迷ってどこかに行ったままだ。こんな奴
を相手に戦うのは無理だ。そう考え撤退を決め込んだオレは逃げ道の廊下を見
た。
「キリちゃん」
 廊下から少女が近づいてくるのが見える。黒目黒髪の魔法使いヒナギ・アサ
ラだ。身体はぷかぷか浮いているし、右手に持っているのは鈍く銀色に輝く竜
頭の杖、左手には好物のスウナの実。クレバーなのが魔法使いってものだか、
ものごとには何事も例外がある。
「くるなヒナギ」
 叫ぶオレの声が聞こえないようにヒナギは身体をふわふわと浮かせながら宝
物殿に入ってくる。
 巨人はヒナギに近づいていく。ヒナギなら簡単に握りつぶされそうな巨大な
手だ。ヒナギの体が掌に捕まれた時、オレは後先考えずに襲い掛かっていた。
割れるほど牙が痛い。こいつ鉄か?。
 ヒナギの口元から呪文が漏れた。巨人の動きが止まった。
「だいじょうぶだよキリちゃん。これが宝物なんだから」
 ヒナギは短くルーンで呟いた。恐ろしく大きい奴はヒナギを壊れものでも扱
うようにそっと持ち上げ肩に乗せた。
「ね。ダイダロスのゴーレム『タロス』。太古の秘法の一つってリガン先生が
言ってたよ」
 ヒナギの声を聞きながらオレは力が抜けていた。


説明

 タロスはタイタン種の巨人の姿を象った巨人の人形です。作ったのはミノタウルスのいた
クレタの迷宮を造ったダイダロス(鍛冶の神ヘパイトスという説もあります)です。
アルゴ探検隊であるイアソンにかかとの栓を矢で射落とされ、体液が流れ出して倒されました。
ってこれだけだと寂しいので人造人間について少々。
 人造人間の系譜の一つであるゴーレムはラビ(律師:宣教師と世俗的指導者の複合的なユダヤの司祭)が土くれから作り出した存在です。言葉を喋れず、魂がなく、夜動かすとコントロール不能になるなど制約の厳しい存在です。もともとゴーレムには『胎児』、『未定』などのヘブライ語で意味があります。
 このように土くれから作り出された話は多く、第一回の『アスタロス』の時に名前が出たエンキドもそのように造られました。ふと思うのですがゴーレムに魂を吹き込むことができたものが人間なのではないのかと。その証拠に中国ではジョカが人間を作り出した話が、ギリシアではプロメテウスが、聖書ではアダムとイヴの話が伝わってますもんね。では魂が何かというと言葉なのではないかと思うんです。言霊って言いますし、魂の無いゴーレムは言葉を話す事はできなかったし。みなさんどう思いますか。
  
ちょっと余談なんですけど、手元の本を5冊程あたってみたんですけど、タロスの製作者っていろいろなんですよね。白澤図は20冊前後の資料で書いてるんですけど、ばらけてたのは初めてなので少し驚きました。
posted by 管理人 at 21:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | リンク テキスト| edit
この記事へのコメント
こんばんわー。
さんたさんにウチのコたちを使っていただけるなんて至極光栄! というようなご返答を差し上げたと記憶しております♪

「高価な毛皮をもつ話すイヌ」という表現、頂いて帰ります(笑)
Posted by 蓬田誉基 at 2006年05月21日 23:16
 どうぞお持ち帰りください。
 でも中身は猫なんですよね。考えてみれば大変だなキリ。

 蓬庵をなんて蓬餅だとずっと思っているのだろうと思ってたんですが、最初の名前だったんですね。かなり前なんですっかり忘れてました。

 
Posted by さんた at 2006年05月22日 20:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。