2007年03月25日

5、道路 【どうろ】

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 朝食も終わって、眞と散歩にいくことにした。
 そろそろ桜も咲き始めているし、平日の昼間なら人はいないと思ったからだ。
 向かう先は海神神社だ。
眞の家の地名にもなっている海神はもともと海だった辺りにある。今では回りは埋め立てたれてしまっているし、潮の匂いもしない。でも、海だったって思うのが歩いているとちらちら見える白い欠片だ。
 それは白い貝殻の欠片なのだ。海の底だっただった土地のせいなのだ。多くは砕けて割れてしまっているので、ただ白いものが多いなって思うだけだ。でも、それなりに完全なものもあって、しじみくらいの大きさから、アサリと続いて、時にははまぐりみたい大きいものもある。
「あ」
 思わず声を出して拾いにいったのは取り壊された家の跡地だった。
 地面の中から白い先端がにょろっと姿を見せている。巻貝だ。そう思って触ってみると確かに貝の先端だった。出ていた一部をたどりながら、地面を掘り始めた。
 化石でも採掘するように慎重に振舞う。乾いた土だけれど、もともと砂が多いから結構簡単に掘り出せた。
 砂に汚れていたけど、それでも模様がわかるくらいのきれいな巻貝。降ってみると中には砂が詰まっている。少し降ってみると、中に詰まった砂はなかなか落ちてこない。これは水洗いしたほうがいいかもしれない。
 眞は無言で突っ立っている。
「海の音がするよ」
 茶目っ気を出して渡してみた。
 眞は真顔で貝殻を耳にあてると無言で飛び上がった。
 落ちてきた砂に驚く眞がおかしくて笑った。
posted by 管理人 at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 100のお題| edit
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