2007年03月28日

7、星 【ほし】

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風に揺れている桜は、昼はそうとは感じずただきれいだけれど、夜の闇の中だと大きな得体の知れない何かが身をくねらせているように見える。
 そういう印象があるからこそ、桜の下には死体が埋まっているというのだろう。もっとも、ことわざでも言い伝えでもなくて、梶井基次郎の「桜の樹の下には」からの引用だという。でも、もともとそれはみんな思っていたことなのだ。ただうまく使うイメージがなかったのを、小説の中の一節で見出したんだと思う。
 人間はいろいろなものからイメージを見出すものだと、私は思う。
 例えば、星。
 さっと見れば星は星で、大気のゆらぎにあわせて、ただ点滅しているだけに過ぎない。
 でも、星は物語を含んでいる。
 大神といわれながら、好色なおやじめいた振る舞いにしか見えない物語。
 犬の天国への道しるべとなるほうき星。
 四神に守られる天上。
 人は夜の中に、そのイメージを見出したのが証拠のように思える。
「星は何でも知っている」
 眞の声に物思いは打ち切られた。眞は私が物思いから戻るのを随分長い間待ってくれていたのだろう。
「そろそろ戻ろう。春でも夜風は体に悪い」 
 人は時に人の中にも星を見出す。



せっかくなので、ご紹介
桜の樹の下には  梶井基次郎作
http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/card427.html
posted by 管理人 at 05:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 100のお題| edit
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