2007年03月30日

8、夜 【よる】

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明けない夜の中で、そうしなければきっと人は息絶えてしまうのだ。
 希望の星という言葉は人間だけに当てはまる言葉じゃない。それは趣味であったり、自然であったり、人にとっていろいろだ。だけれど、確実なのはそれが触れ合うことによって生まれることだけだ。
「ねえ」
 声をかけると、横を歩く眞は首を傾げた。私が何かいいたいのがわかったのだろう。
 何を問いかけることもなく、眞は私が何か言うのを待っている。その心遣いがありがたい。きっと急かすように問われては、何もいうことができなくなっただろうから。
「なんかこうしているのも楽しいよね」
 声には出さず眞は頷いた。
「あのね、ちょっと話したいことがあるの」
 眞は立ち止まった。私もその横に立って、すぐに少しだけ離れた。
 いろいろな事を考えている。いう言葉も、結果も予想はついているのに声に出そうとすると胸が痛い。
「別れよう」
 眞は目を見開いている。
 今、眞がどういうところにいるのか私にはわかった。だって、私も同じような気持ちだと思えたから。
 明けない夜にまた戻る。
posted by 管理人 at 05:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 100のお題| edit
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