2007年03月31日

9、鏡 【かがみ

HOME100のお題 ⇒ この記事です

鏡には背中がうつっていた。首の辺りには日焼けのあとがあった。もともとの皮膚が白いせいで、日焼けの黒さは強調されているように思えた。その首から少し下がった辺り。左右どちらの肩甲骨の辺りにも、何かが小さく膨らんでいた。
 それは腫れ物のようにも見えたが、むしろ中から何かが盛り上がってきていて、肉を突き破ろうとしている。
 昨日とそれほど大きさは変わってない。
 安堵して手を伸ばすと、昨日よりも少し硬くなっていた。昨日は押せば体の中に入るほどやわらかかったのをおぼえいている。それは体の中で成長をしているように思えた。
 このままとまれば大丈夫。もし成長を続ければ。
 とまればと自分が思っているわけないのはわかっていた。もし、止まるとわかっていたら、眞にさよならなんていわなかった。
「でもこれでいいんだ」
 鏡の中の背中は小さく自分じゃないみたいだった。
posted by 管理人 at 12:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 100のお題| edit
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。