2007年04月19日

13 通り雨  100のお題より

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同門の場合最も危惧すべきは、決まった手を決まった手で返す事にある。
 始めれば、ただの遊びのようなものとなる。元来、相手よりも早く相手の防御に勝る一打のみあれば、戦いは終わる。それができないからこそ、様々な流派やテクニックが存在する。
 眞は目の前の日元桜。同門の妹弟子を見ながら距離を測っていた。
 自身の拳が必殺の一打であるのを眞はしっていた。だからこそこうした時に困るのだ。手加減なしでたたきつければ、桜師妹の体は一瞬で落ちる。
 まして桜師妹の流儀は一気に攻めることはなく、相手の距離を殺し、自分の圏内で戦うことで、戦うものだ。
 お互いにつかず離れずということになる。
 それではなかなか始まらない。
 水滴は眞の頬に触れた。すぐさま体温に暖められ蒸発する。
 水滴は一粒ではなかった。やがて数多の粒となり、気づけば雨が降り始めていた。
 雨は合図となった。
 眞の体に触れると雨粒は即座に蒸発し、蒸気となって消え去る。
 炎帝功と呼ばれる秘伝による気の運用をなした眞の体は、高温を発する。
 白い霞をまとったまま踏み込む。
 桜師妹は小さく身をかわし体を低く下げるとそのまま眞に寄り添った。翠羽流水。風に舞う羽のように、流れる水のように、相手の威力を流しつつ、相手との距離と縮める動きだ。
 桜師妹の両掌が眞に向かい突き出された。
 雨が止んだ。
 
posted by 管理人 at 20:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 100のお題| edit
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